欲張らない才能
悩み多き人、それも業務に対して能力不足や知識不足に悩んでいる人を見ると、
偉いな
と思います。
な~んて書くと、おそらく語弊があると思いますが、わたくしもかつて学生だった頃、壁にぶち当たったことがあります。
おこがましい言い方ながら、それまではわたくし、「学問」という分野に関して、自分の才能を疑ったことはおそらく一度もなかったのですが、(ただし数学を除く)
いやいや、世の中は広い。
世の中には天才と呼ばれる人間がゴロゴロ転がっていて、そんじょそこらの努力ではどうにもならない壁がある、と思い知らされました。
んで、努力を怠ったら自分を見失ってニートになったわけですが。
5年ばかりのブランクを経て「自分」を自覚し、自分はこんなもんだろう、と納得してから、「能力不足」に悩まなくなった気がします。
自分で自分の限界に線を引いたわけではありません。
努力をしなくなったわけでもありません。
うまく伝えられないかもしれませんが、「欲張らなくなった」という感覚でしょうか。
今、自分にできる最大限を行う。
それで十分。高望みはしないし、今できないものは「できない」と認める。
自分に嘘をつかず、ごまかさず、「できないものはできないと言える」。
それができるようになったら、楽になった気がします。
能力が無いものは無い。知識が無いものは無い。
今は、無い。
「今は」、無いのです。あくまで、「今は」。
今は無いだけで、将来も無いとは限らない。
能力は経験が補い、知識は年数が補う。
能力が無ければ繰り返し経験すればいい。
知識が無ければ繰り返し学べばいい。
亀の甲より年の功、という言葉があるように、そのうちなんとかなるものです。
ただし、絶対に言ってはいけないのは、お客様に対して「初心者なので」「経験が浅いので」というセリフです。
相手にとって、そんなことは関係ありません。初心者なら安くなるのか。経験が浅いなら値引きがあるのか。
無いならば、言ってはならない台詞です。
言い訳をせず、
「すいません。分かりません。事務所に帰って調べてすぐにお返事いたします」
「すいません。今、事務所に連絡して確認していいですか?」
「申し訳ありません。直ちに調べるのでお待ちください」
それで良いと思うのです。
人は天才として生を受けたのでない限り、全知全能ではないのですから、「知らないことが多いほうが当たり前」なのです。
それを恥ずかしいと思う必要なんてない。当たり前なのですから。
調べて答えれば良いのです。
知らないことを知っているふりをするほうが、
知らないことをごまかすほうが、
知らないことをそのままにするほうが、
よっぽど恥ずかしいことだと思います。
スマホが手元にあるって、ホントに便利だな、と思います。
その場で調べて回答できますので。
利用者さんから信頼を勝ち取るには、回答の速度が重要です。
即座に調べて回答すれば、「なんでも答えてくれる人」と思ってもらえます。
重要なのは、「なんでも知っている人」ではなく、「なんでも答えてくれる人」なのだと思います。
ケアマネ業務に関連する知識量は、介護業界の中では群を抜いて多いでしょう。
ですが、各種サービスの各種加算をすべて覚える必要なんてありませんし、
利用者さんを取り巻くあらゆるサービスについて熟知する必要もありません。
どのような居宅サービスを利用すれば、その利用者のニーズに応えるプランを作成できるか。
その1点に力を注ぎ、アセスメントとモニタリングを繰り返し、利用者との信頼関係を築いてサービス事業者との連絡調整を行っていく。
そこに加算の知識など必要ありません。
加算が「ない」と思っていると問題ですが、あれこれある、と知っていれば、
「どんな加算があるか事業所に聞いて確認しときますね」
と答えられます。細かいことはサービス事業者に任せればよく、ケアマネとしてはそれで十分なはずです。
取り巻くサービスについても同じです。
なんかあったな、で全く問題ないはずです。
なんかあったな、それはどこどこの管轄だな、窓口はどこどこだな、と分かっていれば、「それは○○で聞くと教えてもらえますよ」と<答える>ことができます。餅は餅屋に任せればよいのです。
なんでも答えられる人が、なんでも知っているわけではありません。
でも、なんでも知っていなくても、なんでも答えられる。調べれば、答えられる。
そのうち調べなくても答えられるようになったら、もっと仕事が楽になるのかもしれませんが、
なにしろ制度はコロコロ変わりますからね~
すべて知る、は確かに理想ですが、それはよほどの天才でなければ無理でしょう。
凡人は調べて答えればよい。
そう割り切れば、もしかしたら楽に生きることができるかもしれません。
もしかしたら、ですけどね♪
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