タメ口で信頼関係は築けるか
久々の投稿です。
なぜか介護職の間では、「利用者にタメ口(ためぐち)はOKか?」という疑問が提示されることがよくあります。
それに対しては、
・ビジネスなのだから敬語が当然
・敬語が基本だが、くだけた表現があってもいい
・懐に飛び込むには敬語じゃなくてもよい場合がある
・タメ口のほうがフレンドリーになれる
おおむねこのような意見が出ます。
わたくし個人的には、「タメ口」は理解不能なのですが、
「親密になれる」「信頼関係を築ける」という方は少なからずいらっしゃるようです。
が、しかし。
「親密」になる必要はあるのでしょうか。
そもそも親密とはなんでしょうか。
お客様=利用者さんとは一定の緊張関係があってしかるべきだと思うのです。
・ビジネスとして割り切る
・ビジネスとしてサービスを提供する、
そういった一線を引いておかないと、なれ合い、やりすぎにつながり、
人間関係のこじれ、虐待、支配と被支配といったマイナスの関係につながるような気がします。
「土日にも電話が来て困る」
「なんでも頼まれる」
「ケアマネはどこまで関与すれば…」
なんて悩みを抱えている人は、そもそも「入り込み過ぎている」人なのではないでしょうか。
一定の線を引いて、ビジネスとして、専門職として向き合っている人は、
「専門職への信頼」を勝ち得ることができるのではないでしょうか。
信頼関係とは、利用者が相談援助の専門職としてケアマネジャーを尊敬し、ケアマネジャーは利用者を個人として尊敬すること。
そういった関係が築けていれば、「この利用者はわがまま」だとか「理不尽な要求をされる」だとかいった思いは少なくなるでしょうし、
「あのケアマネはわたしのことをバカにしている」とか「何も言うことを聞いてくれない」とかいったクレームも少なくなるのではないでしょうか。
そういった関係を、「タメ口」で築けるのでしょうか。
わたくしは無理だと思います。
少なくとも、タメ口を聞いてくる相手をわたくしは「プロ」として尊敬しません。
また、タメ口をきいてくる相手で「尊敬できる相手」に巡り合ったことがありません。
炎上覚悟で申し上げれば、所詮、ビジネスでタメ口を聞く人などその程度です。
「できる人間」は、言葉遣いもきちんとしているものなのではないでしょうか。
とはいえ、どれだけ口を酸っぱくしても我が事業所にも利用者にフレンドリーな口を聞くスタッフは尽きないわけで、
それを嫌だと思わない利用者さんもいる以上、個々人の問題なのかな、とも思いますが、
まあ、「丁寧語でクレームを受けたことはないが、タメ口でクレームを受けたことは多々ある」ということを考えれば、
それだけでビジネスでは敬語、という結論になるような気もいたします。
タメ口が当たり前のようなお店があったりもしますけどね~。
わたくしは、そういうお店は嫌いです。
選べる立場にあるなら、そんな店は行かなければいいだけですが、介護サービスを利用する利用者さんは果たしてそういう立場にあるのかどうか。
そういった視線も大切かもしれませんね。
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