ケアマネなんて儲からん

「現役並み」という言葉を聞くたびにブルーになる低所得のケアマネジャーが日々の苦悩?をつづるブログです

無料奉仕の報い

世の中、ケアマネをなんだと思っているのでしょう。
利用者さんも分かってないと思いますが、世間はもっと分かっていない。


かくいうケアマネ自身も迷走している気がします。
なので、ケアマネの業務範囲は?という疑問が出たりする。


本来、業務というのは明確なはずです。
通常の民間企業であれば定款に明記されているはずですし、内規なども多数あるでしょう。


では、法律に基づいた職種はどうでしょう。
法律で業務内容が定められている職種としては、


・医師=医業(医師法)
・看護師=医師の指示を受けて行う療養上の世話又は診療の補助(保健師助産師看護師法)
・弁護士=訴訟事件等の法律事務(弁護士法)
・司法書士=登記手続きの代理等(司法書士法)
・行政書士=官公署に提出する書類の作成および提出代理等(行政書士法)


等があり、他にも弁理士法、社会保険労務士法等々ありますが、


これらの士業あるいは「師」の付く業務についている方々に「あなたの業務範囲は?」と尋ねたら、よほどの人でなければ自分の業務範囲を即答するでしょう。


「いや~、難しいです」
「とても広いんです」


などとお客様に答える人はどうでしょう。信頼できますか?


ところがケアマネジャーからは、「自分たちの業務範囲はどこまででしょう」という質問が出る。
これは他士業の人にとっては「愚問」なのではないでしょうか。


本来、ケアマネジャーは介護保険法に基づく職種である以上、その範囲は介護保険法に明記されており、明確なはずなのです。


つまり、介護保険法では、第7条第5項において「介護支援専門員」の定義を、


「この法律において『介護支援専門員』とは、要介護者又は要支援者…からの相談に応じ、…その心身の状況等に応じ適切な居宅サービス…を利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者…等との連絡調整等を行う者」(…は「中略」)


と定めており、ケアマネジャーの役割は実に明確なのです。


<利用者さんの相談に応じて、心身の状況に応じて適切な介護サービスが利用できるよう連絡調整を行う>


ゆえに、インテーク、アセスメント、ニーズの抽出、プランニング、担当者会議の開催、モニタリング、再アセスメント、連絡調整、といったいわゆる「一連の流れ」が導かれるわけです。


つまり、それ以上でも、それ以下でもない。あとは認定申請の代行権が認められているだけです。


これで必要十分なはずなのです。介護サービスの利用についての専門職なのですから、医療やら生活保護やら年金やら税金やら障がいサービスやらは、明確に「業務外」なのです。




なのに、なぜか引き受ける。なんでも屋になっている。




とはいえ、これは個々のケアマネジャーの問題ではないと思います。
業界全体がそうなっている。それが問題です。




果たしてこの業界は、何を目指して、どこに向かって走っているのでしょう。


ただ働きを何でも引き受けた結果が、今の「ケアマネジャーの立ち位置」をかえって不安定なものにしている気がします。
他業との「協同」も考えてないですし。


せめて報酬を得て業務範囲を拡げていれば良かったものを、今さら有料化はできないでしょう。
というより、業務範囲を拡げるには、本来であれば法改正が必要なはずですよね。
根本が間違っている。




先日、某職能団体の研修に出席したのですが、そこで講師が「最初に安売りするな!後から料金は上げられない。あなたが最初に1万円と言ったら、次のお客さんも『1万円でやってくれるんでしょ?』と来る。次のお客さんから3万にはできない。それをやったら仕事がなくなる」


と言っていましたが、まさにそのとおり。
今さら相談料を取れば客はいなくなるし、代行手数料を取れば「あの事業所はぼったくり」と言われるだけ。


業界全体で変えるしかないのですが、現状は…





ケアマネになったら協会に入って改革を、とも思ってはいたのですが、「主マネ」問題でわたくし、9割がたやる気を喪失しつつあります。


自分がそう、とは言いませんが、有能な若手を即戦力で使えない業界に未来はありません。





せめて主マネ要件を白紙に戻してくれればな~





5年後に、ケアマネを続けている自信は、今のわたくしにはありません…