ケアマネなんて儲からん

「現役並み」という言葉を聞くたびにブルーになる低所得のケアマネジャーが日々の苦悩?をつづるブログです

契約書の押印廃止 ~介護保険

巷で話題の「押印廃止」。
介護業界でも「契約書」、「重要事項説明書」まで押印不要とするおかしな流れになっています



おかしな、と書きましたのは、



そもそも契約書や重要事項説明書に「記名押印」や「署名捺印」が求められているのは、


利用者の同意を証明するためだからです。




逆にいえば、同意があったことを証明さえできれば、
そもそも「押印」など無くても良いのです。



現在、行政のやっていること、やろうとしていることは、
形式的に求めていた押印を廃止すること>であって、




<<<<同意の証明を不要にすることではありません>>>>>




ここは極めて重要でして、



押印を廃止するならば、
<事業者としては利用者の同意を得たことを別の手段で証明する必要>が生じます。



それが電子署名であったり、経過記録への詳細な記録であったり、
「別紙同意書」の作成であったりします。


どの手法を用いるかは事業所次第ですが、


どの手法をとるにせよ契約書や重要事項説明書から押印欄を無くすならば、




利用者の家族から「親にきちんと説明したのか!」「同意を得て申請をしたのか!」と追及された時、



「記名のみの文書」で<<<<あなたは納得するのか>>>>



ということを考えて行動する必要があると思います。








本来、行政の行おうとしている「押印廃止」は、<無駄な手続きの廃止>だったはずです。


ところが、なぜか何が何でもハンコを廃止しようという流れになっている。


この流れは間違っていると思います。


同意の証明がハンコで済むならこれほど楽なことはありません。





ハンコを貰うためだけの仕事が無駄だっただけで、ハンコ自体は無駄ではなかったはずです。





そんなことも分からない国が「押印廃止」を進めている。





不動産売買の契約に記名だけしかなかったら信用できますか?
実印を押しませんか?




生命保険の契約書に記名だけしかなかったら信用できますか?
署名捺印しませんか?




押印をしたからといって責められることはありませんが、
押印がなかったがために家族とトラブルになっても、





国は守ってくれないですよ。絶対に。
 

 

 

 

料金改定についての「同意」

報酬改定のたびに不愉快に思うことがあります。


それは、料金改定についての「同意」


介護報酬は、3年に1度見直しされまして、令和3年はその報酬改定の年。


今回の改定は結構色々あるのですが、それは置いておきまして、
報酬改定がなされるということは、利用者様の負担する料金も変わることとなります。


例えば、訪問介護ですと、身体介護1(30分)の単位数が「249単位 → 250単位」に変わります。
これは全国共通での変更でして、個人や事業所が「もっと上げろ!」「1単位とは何かの冗談か!」「それで実際は幾ら負担が増えるの?え?1円?なにそれ」と言おうとも、



上がるものは上がるのでございます。



単位数は、地域やサービスによって差がありますが、訪問介護ですと1単位=10円~11.40円です。


ですから、身体介護が249単位→250単位に変更されますと、事業所が得られる介護報酬の額は2,490円~2,836円(端数切捨て)→2,500円~2,850円に変わります。


利用者負担はその1割~3割ですので、利用者負担額は、東京価格の1単位11.4円で、かつ利用者の負担割合が1割だとすれば、


(249単位×11.4円(端数切捨て))ー(249単位×11.4円×0.9(端数切捨て))


という計算式になりますので、つまり、


2,838円ー2,554円=284円


が、


(250単位×11.4円(端数切捨て))ー(250単位×11.4円×0.9(端数切捨て))=2,850円ー2,565円=285円


となりまして、まあ、つまり、1円上がるわけです。




はい。ここまで読んでくれた方。本当にありがとうございます。
訪問介護では、生活援助は2と3、身体介護は0から9まであり、身体介護と生活援助を組み合わせたサービスもありますので、料金表はどの事業所でも概ねA4サイズで1ページほどあります。



それが各々について変更されますので、料金表をすべて作り直すわけですが、ほぼ間違い探しのレベルです。



しかも繰り返しになりますが、全国共通で変更されるわけです。



誰が何と言おうと変更されます。拒否権などございません。



それなのに。ああ、それなのに。




事業所には、<利用者に対して報酬改定の内容を説明し、料金の改定について文書で同意を得ること>が求められるのでございます。




ちょっと待て、と。




勝手に国で買えておいて何言ってやがる、と。




おまえらが説明しろや。




そう言いたくなってしまいます。




しかも、文書で同意ってなんなのでしょう?
同意を得られなかったらどうするのでしょう?



「その料金改定には同意しかねる!!」と利用者が言ったらどうするのでしょう?




同意するしかない事項に対して、同意を求めるのはおかしいのではないでしょうか。
説明の手間も、文書を作る手間も、文書を作る資源も、すべて無駄。




だって、「同意しないという選択肢はない」のですから。




形式主義の極みなのではないかと思います。




今年もアホらしい季節がやってきました。




一言書かせてください。




バ○ではないかと。


 


最後までお読みいただきまことにありがとうございました。とほほ。

結局取れない加算たち ~令和3年介護報酬改定


今更ながら4月からの報酬改定の資料を斜め読みしておりましたら、


訪問介護にも「認知症専門ケア加算」ができるとか。


ほほぅ。と小さい字を目を細めて見てみますと、




「認知症の日常生活自立度3(筆者注:実際はローマ数字。以下同じ)以上である利用者が、全体の50%以上」であることが要件とのこと。




ファッ?日常生活自立度3が50%以上!!!?!???!?




これ、何かの間違いでしょうか。


それともわたくしの読み間違いでしょうか。


日常生活自立度3とは、「着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等」がみられる状態とされておりますが、


訪問介護の利用者の半分がこの状態の事業所なんてあるの?????
まじで?主治医意見書で3が付くことって珍しくない?普通2bですよね。
この判断はケアマネジャーがするの?サービス提供責任者でいいの?
え?Q&Aを嫁?


はい、すいません。


まあ、他サービスでは取っている事業所もあるのでしょうが、
そういうところは中重度特化型の事業所なんですかね。


「うちは日常生活自立度3以上の利用者さんしか受け付けません~」
みたいな。


でもそれって、訪問介護の新規利用を断ることのできる「正当事由」に該当するんですかね
訪問介護を含めて、介護サービスは「正当事由」が無いとサービス利用の申し込みを断れないはずなのですが。



で、さらに「認知症介護実践リーダー研修」の修了者を人数ごとに配置し、社内研修は…まあいいとして、





それでたったの1日3単位!!!地域加算を考えなければたったの30円!!!!
1日3単位ということは、1日に複数回訪問しても30円!





これは何かの冗談ですか?





続いて居宅介護支援。


一部で話題の「通院時情報連携加算」。


「利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた」ときに算定できる加算で、


つまるところ「利用者様の通院に立ち会い」ますと算定できる加算ですが、


なんとわずかに50単位!!!!地域加算を考えなければ500円!!!!



ワンコインサービスですか?



待合室でどれくらい待たされると?
15時からの予約なので、「じゃあ15時10分くらいに行きますね」と病院に行っても、
受診は16時なんてのは当たり前の世界。


1時間500円って最低賃金下回ってませんか?


いえ、まあ、基本報酬は別ですけどね。
貰えるだけマシといえばそうなんですが、それにしてもね。


でもって、加算を取るためには、「居宅サービス計画(ケアプラン)に記録」することが要件とのこと。





え?ケアプラン????





ちょっと待て。


ケアプランを作り直す時だけですか?
それ以外に通院立ち会って状態確認して意見交換しただけだったら算定できないんですか?





経過記録じゃダメなんですか?????




ケアプランというのは4表(経過記録)を指す、と考えてよろしいのですか???





毎月ケアプラン作り直すかボケ!!!


ケアプラン作り直さないんだったら医者に行かないとでも??


ケアプラン作り直さないんだったら医療との連携は必要ないの????


バカなの?しぬの?





医者にはバンバン出すくせにさ~~~~~





もう呆れておならも出ません。





なんだかな~。結局「加算を取らせる気無い」よね





で、言われるわけですよね。




<通院同行すればケアマネさん、加算貰えるんですよね>





<連れて行ってくれないんですか?>




言われたら500円玉投げ付けてやりますよ。




「お前がそれ(500円)でやれ」とね。






頭きた~~~